子供の頃、大人達が山芋のとろろを食べている様子を見て、なんと不気味な食べ物だと思っていました。
というのも、私はドロっとした食べ物が苦手です。
天津飯、グラタン、ホワイトシチュー、あんかけチャーハン、長崎ちゃんぽん…
ドロっとした食感が喉を通る瞬間、全身の鳥肌が立ってしまいます。
大人になった今では食べれない事はありませんが、好んで食べようとは思いません。
しかし、矛盾をしているようですが、私の中でオクラはドロっではなくネバネバに分類され、むしろ好きな食べ物です。
その原理で、里芋もとろろでは食べれませんが、短冊切りすれば美味しく食べれます。
先日、そんな里芋をスーパーで購入し、20日ほど冷蔵庫に放置してしまいました。
里芋はカットした状態で売られている為、ビニールの包装に密閉されています。
放置された里いもは、そのビニールがパンパンに膨れ、飛行機に持ち込んだポテトチップスのようになっていました。
愚かな私は、(あれ?買った時からパンパンだったかな?)と思いましたが、深く気にせず短冊切りにして食卓に並べます。
そして一口食べた瞬間、感じた事がない刺激が口中に広がります。
どう言語化すれば伝わるでしょうか…
開封したての炭酸飲料のようなシュワシュワが瞬間的に舌の上で弾け、口全体に広がって徐々に薄まっていくような感覚です。
とても野菜を食べているとは思えず、まるで口の中で化学反応の実験をしている気持ちになりました。
頑張って表現しましたが、実際に経験しないと伝えるのは非常に難しい感覚です。
何が起きたのか理解できず調べてみたところ、このシュワシュワ刺激の正体は、シュウ酸カルシウムという成分だそうです。
里芋を触ると手が痒く事があるのも、このシュウ酸カルシウムが原因。
そして、袋がパンパンになっていたのは、里芋が呼吸をしエチレンガスを出した事が原因だったようです。
里芋は古くなると密閉されたビニールの中でエチレンガスを排出し、シュウ酸カルシウムがどんどん多くなるようです。
その結果、何とも表現し難いシュワシュワの里芋が完成するという訳です。
正直、美味しくはなかったものの、不味いという訳でもありませんでした。
とはいえ、もう一度食べたいかと聞かれると答えはNOです。
さらに、諸説あるものの食べない方がベターのようです。
購入した野菜は早めに食べないといけませんね。
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