幼い頃、何でも姉と同じ事がしたいと思っていました。
姉が通っていたバレエ教室も、いつか自分も一緒に通うと信じていましたが、私のトゥーシューズはいつまで待っても買ってもらえませんでした。
母に「僕はいつからバレエをするの?」と尋ねましたが、「男はバレエをしないんだよ。」と言われた事を鮮明に覚えています。
しかし、姉の発表会で男性のバレリーナを見ていたので母の言葉が理解できませんでした。
そこで、男性に見えるバレリーナは全員女性なんだと結論付けました。
バレエの世界は全員女性、だから自分は参加できない。この理屈で納得し、バレエ欲を抑え込みました。
小学校の高学年にもなると男性バレリーナの存在に気が付きましたが、その頃にはバレエへの情熱も消えていました。
大人になった今、母が言った言葉の裏には経済的理由もあったのだろうと想像ができます。
さて、バレエは習わせてもらえませんでしたが、ピアノ教室は姉と一緒に通わせてもらいました。
小学生から始めたので絶対音感は身につきませんでしたが、楽譜が読めるようになった事は人生を豊かにしてくれました。
楽譜が読めたおかげで高校・大学時代はバンド活動に明け暮れ、社会人になった後も趣味で作曲を続けていました。
習い事をさせてくれた親には感謝しかありません。
そんなピアノですが、正式名称は「ピアノフォルテ」といいます。
音楽記号のピアノとは弱く演奏するという意味で、フォルテは強く演奏するという意味です。
つまり、ピアノフォルテは音の強弱を自由自在に鳴らせる事からその名が付けられました。
他の楽器を触るようになってから実感しましたが、ピアノ以上に音の表現が幅広い楽器はそうありません。
鍵盤をそっと押し込めば優しい小さな音、ガツンと押し込めば大きな音がなります。
特に小さな音の方は、可能な限り音が鳴らないよう慎重に押し込んでも微かな音色が聞こえます。
ピアノがピアノと呼ばれる所以ですね。
今ではピアノを触る機会はほとんどありませんが、今度実家に帰った時に弾いてみようと思います。
指が動かない気がするので、バイエルから練習しないとな…
コメントをお書きください