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稲妻はお米のパートナー

私は出ベソであるが故に、雷が苦手です。

 

数年前の雷の激しい夜、友人の家に泊まっていました。

 

その部屋は遮光カーテンが無く、雷がフラッシュのように室内を照らし続けます。

 

雷鳴が轟き部屋が明るくなる度、暗闇に浮かび上がる私の怯えた顔が、むしろ雷よりも怖いと怒られました。

 

雷が私を怯えさせ、私の顔が友人を怯えさせる。

 

「恐怖は連鎖する。」とはまさにこの事です。

 



さて、その雷ですが稲妻とも呼びますよね。

 

「稲」も「妻」も雷の要素がないのに、稲妻の二文字になると電気を帯び始めます。

 

これは、「雷が稲を実らせる」と考えられていた事に由来します。

 

雷は稲の結実期によく鳴るので、昔の人は「雷が稲を妊娠させて実がなる」と考えたそうです。

 

つまり、雷を男性・稲を女性と捉えてますので、元々は稲夫(つま)でした。

 

今では「つま」は女性を指す言葉ですが、元々配偶者の一方を表す単語だったそうです。

 

雄々しい雷を男性、丹精込めて育てる稲を女性と考えた点が非常に面白いと感じます。

 

空が光り、轟音鳴り響き、大地に恵みをもたらす。

 

雷も「神鳴り」が語源ですし、自然現象はとても神秘的なものと考えていたのですね。

 

科学が発展し人間は豊かな生活を送れていますが、神が身近に存在した時代も悪くないように感じます。

 

古代のロマンに胸躍らせつつ、我が家の穀潰しこと私は、稲妻のようなスピードで白米を頂こうと思います。